当研究室の研究成果がAdvanced Synthesis & Catalysis誌に"VIP" (Very Important Publication)として掲載されました。
Taku Shoji,* Yukino Ariga, Naoko Sakata, Daichi Ando, Shigeki Mori, Tetsuo Okujima, Ryuta Sekiguchi, Shunji Ito, Adv. Synth. Catal. 2023, 365, in press (DOI: 10.1002/adsc.202300371).
ピリミジン誘導体およびピリミドン誘導体は、医薬品に頻繁に用いられる化合物であり、メトトレキサート(抗がん剤)、トリメトプリム(抗生物質)、ラミブジン(抗レトロウイルス剤)、アシクロビル(抗ウイルス剤)、アザチオプリン(免疫抑制剤)などに利用されています。これらのピリミジン誘導体およびピリミドン誘導体にフルオロアルキル基を組み込むことにより、分子の物理的および化学的特性を変化させることができ、その結果、安定性および耐分解性、薬物動態学的特性の改善など医薬品としての使用適性の向上に繋がる可能性があります。
アズレン誘導体は抗炎症薬や抗潰瘍薬として利用されており、フルオロアルキル基をもつピリミジンおよびピリミドンと組み合わせることで、個々の化合物にはない化学的、物理的、薬理学的特性を持つ化合物が創出され、新たな医薬品の発見につながる可能性があります。本研究では、ブレンステッド酸による分子内環化反応を利用した2-ペルフルオロアルキルアズレノ[2,1-d]ピリミドンおよびのピリミジンの新規合成法の開発ならびにそれらの種々の反応による誘導化を行いました。
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