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Novel Aromatic Compound

 

私たちの研究室では、「新しい芳香族化合物をつくり、その性質を調べて役立つ機能を引き出すこと」をテーマに研究を行っています。特に、トロポノイドおよびアズレンと呼ばれる、少し変わった構造をもつ芳香族化合物に注目しています。

一般的な芳香族化合物としてはベンゼンがよく知られています。ベンゼンは六角形の環をもつ安定な分子ですが、トロポノイドやアズレンは、五員環や七員環を含む独特な骨格をもち、ベンゼンとは異なる反応性や物性を示します。たとえばアズレンは、炭化水素でありながら鮮やかな青色を示す珍しい化合物であり、化学の教科書にも登場する分子です。一方、トロポノイドは七員環を含む構造をもち、独特な反応性や生理活性を示すことから、天然物化学や医薬品化学の分野でも注目されています。

本研究室では、こうした化合物を効率よく合成するための新しい反応や合成ルートの開発に取り組んでいます。単に既知の化合物をつくるだけでなく、これまでにない構造をもつ新規化合物を設計し、実際に合成することを目指しています。特に、複数の環がつながった縮環構造や、異なる芳香環を組み合わせた分子を合成することで、従来にはない性質をもつ分子を生み出そうとしています。

さらに、合成した化合物について、「どのような色を示すのか」「光を当てるとどのように振る舞うのか」「電気を流しやすいのか」といった機能も詳しく調べています。トロポノイドやアズレンは、分子の構造を少し変えるだけで、色や蛍光、電気的性質が大きく変化することがあります。そのため、分子設計によって、センサー、有機EL、色の変わる材料、次世代の電子材料などへ応用できる可能性があります。研究では、有機合成だけでなく、紫外可視吸収スペクトル、蛍光測定、電気化学測定、さらにはコンピュータを用いた分子のシミュレーションも行います。つまり、「分子をつくる」だけでなく、「なぜそのような性質を示すのか」を分子の構造から理解するところまでを目指しています。

本研究は、有機化学を基礎として、材料化学、物理化学、さらには医薬やエレクトロニクスにもつながる広い分野に関係しています。「まだ世の中に存在しない分子を自分の手でつくってみたい」「分子の反応性や性質が変わる理由を知りたい」「化学を使って新しい機能をもつ材料を生み出したい」と考えている人にとって、とても魅力的な研究分野です。

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